SPECIAL PICK UP
スペシャルピックアップ
山嵐

時代の最先端を走り続けたミクスチャー・ロック集大成盤!

湘南発の山嵐がリ・レコーディングによるベスト・アルバム『極上音楽集』を発表した。既に聴いている人も多いだろうし、まだ未聴という人もいると思うので、ここでは今作の魅力についてなるべく掘り下げて語りたい。まず声を大にして言いたいのは、リ・レコーディングという性格ではあるものの、「ニュー・アルバム」と位置付けてもいいほど、最新最強の山嵐サウンドがここには封印されているということ。過去音源を十二分に聴き尽くした人も、初めて聴く新規リスナーも絶対に満足できる決定版的一枚と言っていい。
 バンドは96年10月に神奈川県藤沢市にて、SATOSHI(Vo)、KOJIMA(Vo)、KAZI(G)、武史(B)、石井芳明(Dr)の地元仲間5人で結成。そして、PINK PANTHERSとのスプリット作「A NEW SPECIES」で衝撃のデビューを飾った。発売は97年6月21日にまで遡る。これは世界を席巻したラップ・メタルの王者、LIMP BIZKITの1stアルバム『THREE DOLLAR BILL Y'ALL$』よりも一週間以上早いリリースになる。まだラップ・メタルという呼称もない時代から「ラップと重低音サウンド」というコンセプトを掲げ、山嵐はシーンに登場した。それは衝撃の二文字では到底片付けられないレベルであった。柏シティハードコアの伝説的バンドであるヌンチャクは日本語だったが、あくまでもハードコアの文脈の中でそれを昇華していた。また、BACK DROP BOMBはツイン・ヴォーカルという点で山嵐と共通項はあるけれど、こちらは英語詞でラップしていた。山嵐が革新的だったのは、ヒップホップのマナーをわきまえた日本語詞に、KORN譲りの激重サウンドを見事にマッチングさせたところだ。90年後半にラップ・メタル/ミクスチャー・ロックは世界中に飛び火し、大きなムーブメントを巻き起こした。それ以前から山嵐は自分たちの感性を信じて、シーンに打って出たのだ。ちなみに97年当時はメンバー全員18歳という若さである。それを考えると、彼らの感性がいかに時代を先取りしたいたかがわかるだろう。日本における「ラップ×重低音サウンド」のミクスチャー・ロックを確立させたオリジネーターが山嵐と言われるゆえんである。
 そして、00年に麻波25のYuya Ogawa(G)、15年にKAI_SHiNE(Machine)が加入し、現在は7人編成で活動している。これまでに計11枚のフル・アルバムを発表しており、全13組のアーティストとコラボレーションした5thアルバム『COLORS WATER MUSIC』、KAI_SHiNEが初参加した現時点での最新11thアルバム『RED ROCK』の2作品を除き、今作は9作品の中から満遍なくチェイスされている。厳選に厳選を重ねた全16曲に、初めて現メンバー7人で新たな風を吹き込んでいるのだ。まず聴いてわかるのは音の良さ。これまではほぼ一発録りを行っていたのだが、今回はバラ録りでレコーディングを行っている。よって、各楽器の音色がクリアに浮かび上がり、楽曲の立体感、鮮明度、破壊力は数段高まった印象だ。ライブでやり込んできた楽曲も多いため、結果的にメンバー間のあうんの呼吸、加えて演奏のグルーヴやダイナミズムを音源にリアルに刻みつけることに成功している。
 今作は名刺代わりの代表曲「山嵐」で幕を開け、「BOXER'S ROAD」、「山嶺」、「未体験ゾーン」など前半はゴリゴリに押しまくるヘヴィな側面を猛アピール。それから亀田誠治氏がプロデュースを手がけた中盤過ぎの「Go Your Way」を皮切りに、山嵐のエモーショナルな魅力を存分に見せつける楽曲が続く。こうした作品トータルの流れも感動的な素晴しさだ。1曲1曲つまんで聴いても問題ないが、アルバムを通して山嵐が常に時代の先端をいく楽曲を生み出してきたことがよくわかるだろう。
基本的にはほぼ原曲に忠実に演奏されているが、当時「ホログラム featuring OGA-KID」と曲名が付けられていたことからもわかる通り、まだYuya Ogawaが麻波25に籍を置き、フィーチャリング・ゲストとして参加したこの曲は個人的に思い入れが深い。当時聴いたときも衝撃を覚えたし、この曲で初めて彼らはTV番組「ミュージックステーション」にも出演している。今回の再録曲の中でもっとも劇的な変化を遂げており、3rdアルバム『シックスメン』の時にトライしたジャムの感覚を呼び戻し、浮遊感に富む広がりのサウンドで原曲超えの神業を披露している。とにかく、今作は『極上音楽集』という看板に偽わりなしの大傑作である。なお、初回限定盤には23年の歩みを振り返った貴重なインタビューDVDも付属(筆者担当)。そちらも観れば、より一層作品を楽しんでもらえるに違いない。
TEXT:荒金良介

LIVE SCHEDULE

▼ツアー情報
"極上音楽集ツアー2019~2020"
9月14日(土)千葉LOOK | 9月15日(日)茨城 mito LIGHT HOUSE | 9月28日(土)埼玉 熊谷HEAVEN'S ROCK | 9月29日(日)宮城 MACANA | 10月12日(土)福岡 Queblick | 10月14日(月)熊本 Django | 10月19日(土)京都 京都MUSE | 10月20日(日)静岡 UMBER | 11月3日(日)広島 CAVE-BE | 11月4日(月)山口 周南RISE | 11月9日(土)香川 高松DIME | 11月10日(日)兵庫 神戸太陽と虎 | 11月16日(土)秋田 clubSWINDLE | 11月17日(日)岩手 MORIOKAtheFIVE | 11月30日(土)北海道 BESSIE HALL | 12月7日(土)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE | 12月8日(日)長野J | 12月15日(日)横浜FAD
2020年 1月12日(日)梅田Shanglila | 1月13日(月)愛知 APOLLO BASE | 1月19日(日)代官山UNIT
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000
 
■特設サイト:
https://www.caffeinebombrecords.com/yamaarashi_gokujou/

RELEASE INFORMATION

山嵐

極上音楽集

山嵐
【DVD付き限定版】※枚数限定
CBO-5/¥3,000(税別)
 
1. 山嵐
2. BOXER'S ROAD
3. 山嶺
4. CROWS
5. HANDS UP
6. パカパカ
7. 未知のパーフェクション
8. WIDE VISION
9. 未体験ゾーン
10. HEADBANG
11. Go Your Way
12. BE STRONG
13. 希望の鐘
14. PRIDE
15. ホログラム
16. Anytime Anywhere
山嵐

極上音楽集

山嵐
【通常盤】
CBR-100/¥2,500(税別)

1. 山嵐
2. BOXER'S ROAD
3. 山嶺
4. CROWS
5. HANDS UP
6. パカパカ
7. 未知のパーフェクション
8. WIDE VISION
9. 未体験ゾーン
10. HEADBANG
11. Go Your Way
12. BE STRONG
13. 希望の鐘
14. PRIDE
15. ホログラム
16. Anytime Anywhere
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